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2024.10.24

ナンバーワン戦略とは?メリットや成功するためのポイントを解説!

企業が売上を向上させていくためには、自社の強みを活かし競合他社との差別化を図ることが大切です。差別化を図り続ければ、市場シェアの拡大やブランド力の向上などのメリットが得られ、将来的には市場での優位な立ち位置を築ける可能性があります。

市場での優位な地位を確保することで、競合他社との価格競争に巻き込まれにくくなり、安定した利益を得やすくなります。では、どのような手段を講じれば、市場での優位な地位を獲得できるのでしょうか。

ナンバーワン戦略とは

ナンバーワン戦略とは、競合他社に対して優位性を確保し続けることを目的とした経営戦略です。市場内で最も高い優位性を獲得すると、多くの顧客や同業者に会社名と商品名を認知してもらえるきっかけができ、さまざまなビジネスチャンスが生まれます。

例えば、「ポテトチップス」と聞けば、多くの人がカルビーを思い浮かべるでしょう。このように会社名と商品名のイメージが強く結びつくことは成功を示しています。ナンバーワン戦略を実現するためには、他社との差別化を図るプロモーション活動が不可欠です。

ナンバーワン戦略を語るうえで欠かせないランチェスターの法則

ナンバーワン戦略を理解するためには、ランチェスターの法則についても知識を深める必要があります。これは、戦場における強者と弱者がどのような戦略を取るべきか示した法則です。

ランチェスターの法則は、元々第一次世界大戦時の軍事作戦をベースにした概念です。しかし、マーケティングコンサルタントの田岡信夫氏が、戦場における強者と弱者を大企業と中小企業に当てはめ、企業の経営戦略として提唱しました。

この法則の基本的な考え方は次の通りです。

  • 強者:市場シェアが1位の企業
  • 弱者:市場シェアが2位以下の企業

ランチェスターの法則は大きく2つの種類に分類できます。

  • 第1の法則
  • 第2の法則

2社しか存在しない市場では第1の法則を、3社以上が競合している市場では第2の法則を適用することが推奨されます。この法則を自社のナンバーワン戦略に活かしてみましょう。

第1の法則

第1の法則は、一対一の戦闘でかつ剣や槍による戦闘に適用されます。第1の法則は、以下の公式で成り立っています。

戦闘力=武器性能×兵力数

この法則に基づいて戦う場合、戦闘力が高い者だけが生き残ることが可能です。ビジネスでは、第1の法則は以下のとおりに置き換えられるでしょう。

  • 戦闘力:企業の競争力
  • 武器性能:商品の魅力や人材の能力などの質的要素
  • 兵力数:社員の数や加盟店の数など量的要素

この法則では、武器性能が同等の場合、兵力数で競合他社と競わなければなりません。また、シェアとしては73.9%を目指すべきです。もし2社間で73.9%のシェアを持っていれば、もう1社は26.1%しかなく、これは下位企業の3倍のシェアを確保したことになります。このため、市場での絶対的な地位を築いたと見なせるでしょう。

第2の法則

第2の法則は、集団対集団でかつ戦闘機や戦艦などの近代兵器を使用した広範囲戦闘に適用されます。この法則では、次のような計算式で戦闘力を求めます。

戦闘力=武器性能×(兵力数×2)

この法則においては、兵力の数が2乗で考慮されるため、兵力数が結果に大きく影響します。また、第2の法則では、通常の市場シェアは41.7%、分散型の市場の場合は26.1%を目指すことが推奨されます。

ナンバーワン戦略のメリット

ナンバーワン戦略には、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。この戦略には以下の3つの主なメリットがあります。

  • 過度な価格競争に持ち込まずに済む
  • ブランドを確立することが可能になる
  • 市場の利益を独占的に獲得できる

過度な価格競争に持ち込まずに済む

ナンバーワン戦略を実施して自社のファンを獲得すれば、過度な価格競争に持ち込まずに済みます。自社のファンを獲得すれば値下げしなくても購入する顧客が一定数いるためです。

例えば、Apple社のiPhoneは会社と商品にファンが一定数いるので、価格競争をする必要がありません。このように価格競争を避けることで、企業が得られる利益が増え、効率的に自社の売上を向上させられます。

ブランドを確立することが可能になる

ナンバーワン戦略を成功させることで、ブランドの確立ができるのもメリットの一つです。ブランドを確立すれば、ほかのカテゴリーへの事業機会の拡大につながります。

例えば、ウォルト・ディズニー・カンパニーでは、テーマパークやホテル、映画など幅広い事業を手がけています。ディズニーがこのように幅広いビジネスを運営できるのは、ブランドが確立して、ファンを獲得しているためです。事業機会を拡大するためにも、ナンバーワン戦略を採用し、ブランドを築く工夫をすることが重要です。

市場の利益を独占的に獲得できる

ナンバーワン戦略に成功すれば、市場の利益を独占的に獲得できます。自社のファンを多く獲得すれば、広告宣伝費をかけることなく商品やサービスを購入してもらえるのです。多くの企業は商品やサービスの認知度が低いため、広告宣伝費をかけないと利益を得られません。

しかし、自社のファンを獲得すれば広告宣伝費をかけなくても購入してくれる顧客が一定数います。広告宣伝費にかかるコストを抑えることで、売上総利益は増加します。利益率を高めたいのであれば、ナンバーワン戦略を採用することが効果的です。

ナンバーワン戦略を成功するためのポイント

ナンバーワン戦略を効果的に実施するためには、以下の2つのポイントを心がけてください。

  • ナンバーワンを目指すことを徹底する
  • 特定の分野に集中する

ナンバーワンを目指すことを徹底する

ナンバーワン戦略を成功させるためには、ナンバーワンを目指すことを徹底しなければなりません。全社的に市場のトップを目指すことで、従業員のモチベーション向上につながります。

従業員のモチベーションが高まると、どの商品でシェアを拡大できるか、1位になるために何が足りないのかを意欲的に考えるようになります。具体的なナンバーワン戦略を実行するためには、次の4つのアプローチが重要です。

戦略名 特徴
地域戦略 地域内でのシェアをナンバーワンにすることを目指す
営業戦略 営業手法を工夫し、競争優位を築く
流通戦略 幅広い流通チャネルを活用してシェアを拡大させていく
市場参入戦略 市場導入期や成長期の事業を新規事業の開発もしくは商品開発をして差別化を図る

これらの方法を実践し、ナンバーワンを目指しやすい環境を整えていきましょう。

特定の分野に集中する

ナンバーワン戦略を効果的に実施するには、攻撃対象となる商品やサービスを1つに絞ることが大切です。複数の商品やサービスを攻撃対象にしてしまうと適切なターゲット設定が難しくなります。

競合他社の中で自社よりも売上が若干高い商品やサービスに勝つためには、対象となるエリアや目標の顧客数、流通方法を明確にしましょう。ただ、ほかの商品やサービスが売れる可能性もあります。

まとめ

ナンバーワン戦略を実現すれば、過度な価格競争を避けることができ、ブランドを確立し、市場での利益を独占することが可能です。ただ、成功させるためには、組織全体でナンバーワンを目指す姿勢や、狙う商品やサービスを一つに限定する工夫が求められます。

本記事で紹介したランチェスターの法則を理解したうえで、ナンバーワン戦略を検討してみてください。