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2023.12.8

小売業のDX化でできること|進行の課題や事例を紹介

「システム化はできている方だと思うけど、DX化はまた違うの?」

「DX化する必要性はある?」

「小売業でどのようなことがDX化できるの?」

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、ビジネスの改革という意味です。これは、従来のやり方をデジタルテクノロジーを使って進化させることを指します。

具体的には、コンピューターやインターネットを活用して、組織やビジネスプロセスをより効率的にし、競争力を高め、顧客により良い体験を提供することを目指します。DXの例には、オンライン販売、データ分析、クラウドテクノロジーの活用、AIと自動化の導入などが含まれます。

小売業においては、これらのアプローチを活用して、より効果的な販売とサービス提供を実現し、お客様に満足度の高いショッピング体験を提供することが目標とされています。

この記事では、そもそもDX化に取り組むことで経営にどのようなメリットがあるのか、進めるにあたって考えられる課題、小売業でDX化を進めている事例を紹介しています。DX化で事業をさらに発展させたい方はぜひ参考にしてみてください。

なぜ小売業でもDX化が必要なのか

小売業でDX化が必要な理由はいくつかあります。2020年からわずか1〜2年の間に、ネット注文やECサイトが普及しました。これまでもECはありましたが、それほど一般的ではなく、大手楽天市場やAmazonといった”モールEC”が売上の主流でした。”自社EC”と両立することで、競争力や販売力の強化、ユーザーのニーズに応えられるようになります。

さらに、事業効率化をすすめる一つの手段となり、人材不足の解消につながることでしょう。時間のかかる作業をデジタルに任せることで、従業員をより戦略的な活動に取り組ませる時間を生み出します。

小売業でのDX化は顧客の満足度をあげることや、従業員の負担軽減につながります。ビジネスの持続可能な成長を実現し、これからの時代を生き抜くためにも、小売業のDX化を検討してみてください。

小売業でDX化を進めるメリット

小売業のDX化をするメリットは、以下3つが挙げられます。

  • 人材配置の最適化
  • 業務の負担削減と効率化
  • 顧客の満足度があがる

1.人材配置の最適化

まず大きなDX化のメリットは、誰がどの仕事をするのか、「人材配置の最適化」です。DX化でまず考えなければならないことは、システムがやる作業を明確にし、人にしかできない業務を切り離すことです。

例えば、AIに発注を管理させれば、自動的に棚卸がされ在庫数がリアルタイムでわかるのはもちろん、これまでの注文履歴やカレンダーなどから必要な在庫を予測し、納品個数を提案してくれます。不要な在庫を抱える心配や、在庫切れを起こすリスクが減ることでしょう。

また、遠隔で広告や値札を操作できます。従業員がその場で作業しなくても操作ができ、人を無駄に雇う必要がありません。

2.業務の負担削減と効率化

システムの作業と人の業務を切り離すことで、結果的に業務の負担削減と効率化につながります。

例えば、タイムカードで出退勤を管理している会社では、細かい作業の確認をするためミスが起こることがあります。勤怠管理システムを導入すれば、従業員の勤務状況を一括で管理できます。人事が毎月手入力で行っていた業務が自動化され、さらにリアルタイムで状況を確認できます。

3.顧客の満足度があがる

DX化によって顧客の満足度向上が見込めます。業務の効率化が進めば、従業員の負担が減り、顧客対応の時間がつくれるからです。

時間に余裕がもてるため、顧客が抱えている商品に対する疑問や不安に対して親身になれます。

その他にもセルフレジや店舗在庫確認アプリを導入すれば、並ぶ時間が削減されたり、無駄に店舗に訪れたりする必要がなくなるでしょう。

小売業のDX化で立ちふさがる課題

これまでやっていた業務を変えることはハードルの高いことです。DX化を進めるにあたり、以下の4点に注意しましょう。

  • DX化を理解する人材が必要
  • 導入・運用に継続的なコストがかかる
  • 成果をすぐに実感できない
  • アナログ派の従業員に浸透しない可能性がある

1.DX化を理解する人材が必要

小売業でDX化を推進するには、DXの目的と価値を理解している人材が必要です。社員にDX化の考えを浸透させることで、成功につながります。

導入したシステムを従業員が把握するには、時間を有することでしょう。そのため、中心となって技術や目的を指導する人材の育成が急務です。

ただしイチからDX人材を育てるのは時間がかかりますし、かといってすでにDXに精通している人材を採用することはもっと難しいです。DX人材は引く手数多のため、この先も社内に留まってくれる保証はありません。

そこで、DX化を推進してくれるパートナー会社を探すことをおすすめします。経営者と現場両方の立場でDXを進めることができる支援会社なら、社内へDXの取り組みが浸透するまで継続的にサポートを受けられます。

2.導入・運用に継続的なコストがかかる

DX化するためのシステムを導入するには、労力やコストがかかるのが課題点です。システムの開発や比較、工程の管理や運用保守などが手間になります。

また、システムの開発には費用がかかり、従業員に浸透させるための指導も必要になるでしょう。

システムの月額費用や年間でかかるコストを洗い出し、いつ投資を回収できるのか、どこから着手するべきなのかを計画しましょう。

3.成果をすぐに実感できない

DX化は中長期的な経営の視点で評価するものであり、すぐに成果が出るものではありません。

例えば人工知能AIといえど、一定数の学習データが必要になります。これまでのデータをすぐ読み込ませることができればいいですが、紙でしか残っていない場合はその入力に時間がかかります。そしてOJTのようにトライアンドエラーで改善を繰り返し、より制度の高いシステムに育てていく必要があるからです。

また、新しいシステムを従業員に浸透されるのには、指導や技術を伝えるために時間がかかります。現在のシステムになれた従業員にとって、イチからのスタートになることでしょう。

成果がすぐに実感できないからと言って、導入を途中であきらめないようにしてください。

4.アナログ派の従業員に浸透しない可能性がある

DX化をすることで、従業員から反発が起きる可能性があります。業務ルールの変更や人材配置が変わる可能性があるからです。

また、長く勤めて既存のシステムになれている方にとって、DX化によって導入されたシステムを覚えることが難しい場合があります。特に長年雇用している人材ほど、新しいシステムをいちから覚えるのは大変です。

不要なトラブルを避けるためにも、従業員の今後も考えたうえでDX化を検討してみてください。

小売業で実際にできるDX化の事例

では実際に、小売業のどのようなことでDX化ができるのか、よくある事例を紹介します。

  • 自社ECサイトの立ち上げ・ECモールに市場を広げる
  • データを集計し自動分析ができるPOSレジの導入

1.自社ECサイトの立ち上げ・ECモールに市場を広げる

感染症の影響や人材不足によって、店舗型のスーパーや市場は大きな影響を受けました。感染拡大を防ぐために、対面接触や外出を控える傾向に世間が重きを置いたからです。

来客が無いため、在庫があまり、店舗運営が赤字になりました。そこであらたな市場開拓の一環として、インターネットに手を伸ばし、自社ECサイトの立ち上げ、ECモールへの出店が各小売店で起こりました。

店舗を維持する必要が無いため、無駄なコストや人件費削減につながることもメリットです。

2.データを集計し自動分析ができるPOSレジの導入

POSレジとは、会計データが自動で集計され、売上・在庫・顧客情報・予約などを分析できるレジシステムのことです。一般的にiPadなどのタブレットが使われることも多いですが、スーパーマーケットで使われているレジもPOSレジの一種です。

従来のレジスターは商品情報や顧客管理、在庫情報を集計する手間が必要でした。手作業で集計を取るため、人的ミスが起きる可能性もあります。

POSレジを導入することで、お会計のデータは自動で集計されます。さらに会計システムと連携すれば、決算にかかる時間も短縮できます。また、データを分析することで販売戦略に活用でき、次の一手を決める判断材料にもなります。

もちろんそのデータはすべてクラウド上に保存されているので、店舗から離れた本部やオーナーのスマホからでもリアルタイムの状況を見ることができます。経営判断もより早く行えるようになるでしょう。

まとめ

小売業を問わず、あらゆる業界でDX化が求められています。DX化の推進にはコストや手間がかかる課題もありますが、中長期的なメリットの方が大きいです。

DX化のメリット

  • 人材配置の最適化
  • 業務の負担削減と効率化
  • 顧客の満足度があがる

まずは、DXについてコストや得られるメリットについて、調べて導入をするか検討してみてください。